当時1万数千円もしたコインマジックの実演販売があり、ある日通りすがりに見かけたマジックに魅了されたのです。
そのマジックが気になり、店員さんに『もう一度見せて下さい』とお願いすると『マジックは同じ場所で同じ人に同じ状況で2回はみせれません』と断られ、その日は仕方なく諦めて帰りました。
三日後にまた百貨店に行く用事があり、そのマジックコーナーに行きました。
お客さんも10人程度いたのですが30分くらい見ていたら、そのコインマジックが始まりました。
どうにか謎をといてやろうと思いながら、目を皿の様にし、さらに視線を低くして見ていました。
が…。
全く仕掛けがわかるどころか、ますますそのマジックに心奪われ、どうしても欲しくなっていました。
さらに見ていると実演ショーもひと段落し、お客さんは自分だけ・・・。
当時、学生だった僕はちょうどバイト代がはいったばかりで、思い切って『売って下さい』と言ったのですが・・・。
店員さんから『マジック初めてどのくらいですか?』と聞かれ
全く初めてだった私は『やった事がありません』ときっぱりに言いました。
するとその店員さんの口からは驚く事に『止めときなさい』と・・・。
『意地悪で言ってるのではありませんよ! 1万数千円も出して貰って直ぐに飽きたらもったいないですよ』
なるほどそれもそうだなと思っていると、店員さんが次に見せてくれたのが
真鍮で出来た金属製のケースと100円玉数枚を出しはじまったのが『ダイナミックコイン』というマジックだったのです。
案の定そのダイナミックコインにも魅了され、数千円ですぐに買って帰りました。